(2)なぜ、値付けが大切か

2010-10-25

(2)なぜ、値付けが大切か

ここで、なぜ、値付けが大切かのおさらいをしましょう。まず、価格の変更は、迅速・簡単に行うことができます。会社の売上げや利益を増やす方法としてどのようなものが頭に浮かぶでしょうか。新しい製品の開発(Product)、広告・宣伝活動の強化(Promotion)、新しい売り先の開拓など新たな流通チャネルの確保(Place)、値下げなど値付けの工夫(Price)などがあげられるでしょう。これを、専門用語でマーケティングの4Pといいます。パッケージ(Package)を加えて、5Pといわれることもあります。この中でも、値付けは、自分達だけでできる即効薬です。しかも、ほとんどコストもかかりません。

しかし、値付けにはもっと大切なことがあります。それは、値付けは、利益・業績に与える影響が非常に大きいことです。

最近、タクシーなどいろいろな商品・サービスで価格の引き上げが実施されていますが、1%の値上げが実現すると、どれくらい利益が増えるかご存知でしょうか。もちろん会社によって影響度は異なりますが、利益率が売上げの3%の会社の場合、33%もの利益増加となるのです。

値付けというと、営業担当者レベルの話と思っている会社も多いようですが、本当は、非常に重要な課題なのです。例えば、バドワイザーを製造・販売している米国大手ビールメーカーのアンハイザー・ブッシュ社の社長室では、壁一面が特殊な世界地図になっています。その世界地図は、電光掲示板を兼ねており、世界各地のバドワイザーの値段がリアルタイムで把握できるようになっているというのです。会社として、どれだけ値付けを重視しているかがわかるエピソードではないでしょうか。