エンジェル税制とは何か?

2004-09-21

 我が国でもベンチャービジネスを発展させていくためにはエンジェルの育成が重要だという認識が広 まってきつつあり、平成九年度の税制改正において通称「エンジェル税制」という制度が新設された。この制度は、ベンチャー企業に対する個人投資家の資金供給を支援するための措置で、一定のベ ンチャー企業が発行した株式についてのキャピタルロスについては、特別に三年間の繰越控除を認 めるというものである。
 通常は、株式の売買で生じた損失(キャピタルロス)はその年の他の株式等 の譲渡益(キャピタルゲイン)とは相殺できるが、相殺しきれない赤字部分を翌年以降に繰り越して 税金を少なくすることはできない。このことがリスクが非常に高いベンチャー企業に対する個人投資 家による投資を躊躇させている原因になっているとの指摘に配慮して、ベンチャー企業への株式投 資の場合は、例外的に、三年間の繰越し控除を認めたのである。
 なお、繰越控除できるのは、譲渡損失だけでなく、その会社が解散した場合や破産宣告を受けたと きなどその株式の株式としての価値が無くなったときの損失分を繰越控除できる。